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「学園の生徒としては驚異のスピードじゃな…。じゃが…甘い…!」
そう言って、片腕で持っていた鬼斬りでシュナイダーの剣を弾く。
「くっ…」
「開始からいきなり攻めて来るとは意外じゃったわい…」
若干の皮肉を込めてそうシュナイダーに告げると、彼は苦笑しながら返した。
「“東国の鬼神”と呼ばれた人相手に、全力で戦える良い機会ですからね」
「ほう…坊はワシのことを知っとるのか」
「えぇ、勿論」
その言葉を聞いて、ワシは内心で少し嬉しくなり、思わず「そうか、そうか」と知らず、微笑んでいた。
それを見てシュナイダーがポカンとしているのを見て、慌てて真剣な顔に戻し言い放つ。
「じゃあ、ワシもちと本気で相手をしちゃろう…」
言い終わると同時に、彼が開始と同時にした様に、後へ回り込んで一撃を加えようとした。
するとシュナイダーは、急に前へ飛び退き、そのまま距離を取った。
(ほう…今の攻撃に反応出来るか…。加速系で反応速度も上がっとるということは、フラッシュ・ムーヴあたりかの。)
そう大体の予想を立て、感嘆の声を上げる。
「うむ、回避能力も素晴らしいの」
「…そりゃどーも」
心からの感嘆の言葉じゃったのに、シュナイダーは苦々しい表情を浮かべた。
…最近の若者は素直に褒め言葉を受け取らんのぅ…と内心で苦笑すると、彼は何やら考えている様子だった。
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