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「アリシアがゼノンくんに頑張ってって言ったから、無理して戦ってるんじゃないかって心配しだしてね…」
まぁアタシも負けるなとは言ったんだけどね、とアリサはまた苦笑しながら答える。
それを見て、俺は笑顔を浮かべ、「気にしなくても大丈夫だろ」と言って、転入生の方を指さす。
2人が転入生に視線を向けたのを確認し、俺はその理由を話す。
「ほれ、転入生の顔よく見てみろ。楽しそうに戦ってるだろ?」
その言葉に2人は少し驚いたようにこちらを見て、すぐに転入生の方を確認した。
ちょうど戦いの間だったのだろう、2人は足を止め、相手の出方を窺っているようだった。
だが、その顔は2人とも何処かその顔は楽しげだった。
「本当に楽しそうですね…」
「だろ?」
ヘイヴンの感心したような声に、俺は笑って返す。
オレがだから大丈夫じゃない?と続けようとすると、その声を遮るようにアリサが声を発した。
「ゼノンくんが攻めるみたいだよ!」
その言葉に視線を戻すと、転入生が先ほどの微笑を消し、真剣な顔つきになっていた。
そして次の瞬間…
「ライトニング・バレット!」
転入生がそう叫ぶように詠唱した瞬間、彼の周囲に50個ほどの雷球が生まれる。
「おいおい、マジかよ…。確か現生徒会長にして、学園最強と言われるファリノス先輩だって最高記録30個前後だろ…?」
俺が驚愕の声を上げると、転入生が雷球たちに号令し、それらが“次々と”発射される。
それを見て俺は首を傾げる。何かがおかしい、と…。
だが、その疑問はすぐに解決することとなる。
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