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転入生は雷球の着弾を確認した後に、右手に持った剣を地面に突き刺し、何かを呟く。
その瞬間、“それ”は生まれた。
拳大の激しく放電する雷球、それは…。
(ライトニング・ディザスター!?雷系の上級クラス魔法じゃねぇかよ!)
俺が驚愕している間にも、次第にそれは大きくなり、すでに直径50cmほどに成長していた。
そして、またもや転入生が号令を発するとともに、カミヤ先生のいるであろう方向へ向かって投げつける。
雷球は、ライトニング・バレットが今も着弾し続けるその場所へ、着々と近付いて行き、そして…
ズガアァアァアァン!!
という轟音と共に、半径30mほどを巻き込みながら激しく放電した。
そして放電が済み、煙が晴れると其処には変わらぬ姿でカミヤ先生が立っていた。
それを見て、いつの間にか膝をついていた転入生が何かを呟き、それにカミヤ先生は首を振る。
その言葉に驚いたのだろうか、転入生が驚きの表情になり、カミヤ先生を見つめると、先生は2、3言喋った後に微笑んだ。
そして次の瞬間、カミヤ先生の魔武器から声が発せられる。
「耐久限界突破しました。敗北と判定します。」
それを確認した瞬間、転入生は気を失ったようだった。
「凄かったな…。」
そう俺が2人に振り返ると、そこには…
「あれ?ヘイヴンさんは…?」
「アリシアならゼノンくんが倒れた瞬間に、向こうに走って行ったよ」
その言葉に俺が転入生の方へ視線を向けると、ちょうどヘイヴンさんが到着し、回復魔法をかけている所だった…。
SIDEレオナルド・ハイゼンベルグ END
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