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SIDEアリシア・ヘイヴン
ゼノンがライトニング・ディザスターを放った後、膝を着いたのを見て、私は思わず駆け寄りそうになった。
しかし、それをぐっと堪えて、試合の結果を見守る。
しばらくして、煙が晴れるとそこには変わらぬ姿で立つカミヤ先生が立っていた。
それを見て、ゼノンは何か呟くが、それを否定したのだろうか、カミヤ先生が首を振った。
ゼノンが驚きの表情でカミヤ先生を見つめると、先生が2、3言喋った後に、魔武器が先生の敗北を告げる。
それを聞いて安心したのだろうか、ゼノンがふっと倒れ込む様に気絶した。
「ゼノン!」
私はその様子を見て、ついに居てもたっても居られなくなり、思わず駆け寄ってしまった。
私がゼノンに駆け寄ると、カミヤ先生が歩み寄って来て、少し困ったような表情で話しかけて来た。
「うぅむ、思わずやりすぎてしまったかのぅ…」
その言葉を聞きながら、ゼノンがただの疲労で倒れたことを確認すると、微笑みながら返す。
「ゼノンも楽しんでいたようですから、きっと大丈夫ですよ」
「そうかそうか、それならいいんじゃがの」
私の言葉に、カミヤ先生は嬉しそうに頷き、「すまんが、回復魔法をかけておいてやってくれ。ワシはどうも苦手なもんじゃて」と言い残し、クラスの皆の方へ歩いていった。
私はその言葉に頷き、ゼノンに回復魔法をかけながら、その顔を観察する。
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