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SIDEゼノン・アイギス
「……ン、…ノン。起き……さい」
(なんだ、人が気持良く寝ているっていうのに、無粋なヤツだな)
俺は思わずそう心の中でぼやきながら、更に眠りを深くする為、枕を抱き寄せる。
「ひゃ!…そ…な大……」
俺が枕を抱き寄せると、びっくりした様な声が上がった。
…にしても、この声何処かで聞いたことあるような…。
俺が、誰の声だろうと考えていると、「起きなさーいっ!!」という元気な声と共に、頭に衝撃がはしった。
「な…なんだ!?」
俺が驚いて目を開くと、其処には顔を真っ赤にしたアリシアと、俺の頭をクリーンヒットしたであろう右手を振りぬいたまま可愛らしい笑みを浮かべたアリサ、それと知らない男子生徒が呆れた様子で立っていた。
…というか、アリシアの顔が近いぞ…。
なんか後頭部に気持ちいい感触もするし…と、そこまで考えた時に自分の格好…アリシアに膝枕されている状態に、ようやく気が付く。
「ごめん、アリシア!」
そう言って、慌てて俺がアリシアの膝から飛び退くと、アリシアは何故か少し残念そうに「…あ」と呟いた。
俺はその様子に首を傾げながらも、何故こんな状況になっているのかをアリサに確認する。
…アリシアはなんか真っ赤になってブツブツ言ってるし、男子生徒は何故かニヤニヤしてるしな…。
「アリサ、何故俺はこんな状況になっていたんだ…?」
「え?覚えてないの?ゼノンくん、カミヤ先生と戦った後に、魔力切れで倒れちゃったんだよ」
俺はその言葉を聞いて、ようやく倒れる直前の記憶を掘り起こすことに成功した…だが。
「いや、それは分かったが、何故俺はアリシアに膝枕されていたんだ…?」
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