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「ん?それはねぇ、ゼノンくんの寝顔を見てたアリ「アリサ?」…硬い床じゃ可愛そうってアリシアが言ってたよ…?」
急に言葉を変えたアリサを不思議に思い、その視線の先を見ると、何故か満面の笑みを浮かべたアリシアがいた。
「…どうしたんだ、アリシア」
と俺が尋ねると、アリシアは「なんでもありません」と笑って返した。
何故かそれ以上は聞いてはいけない様な気がした俺は、先ほどから気になっていた男子生徒(ちなみに今度は、何故か腹を押さえて、笑いを堪えている)に話しかけた。
「ところで、アンタは一体誰なんだ…?」
その言葉に、男子生徒は笑うのを止め、口を開く。
「おっと、すまんすまん。オレは同じクラスのレオナルド・ハイゼンベルグ。皆レオンって呼ぶから、そうしてくれ。俺もゼノンって呼ぶからさ」
そう言って、ニカッと笑った後に手を差し出してきたので、俺はそれに応じて握手し、「わかった、レオン。よろしくな」と返す。
「それじゃオレは、そろそろ授業に戻ってくるわ。また後でな、ゼノン」
そう言って、ヒラヒラ手を振りながらレオンが去って行くのと入れ替わりに、今度はカミヤ先生が近付いて来た。
俺がそれを見て立ち上がろうとすると、カミヤ先生はそれを手で制し、近くに来ると自分も座った。
「シュナイダー…」
「はい」
俺がカミヤ先生の真剣な声に、佇まいを直してそう返すと、しばらく下を向いて黙りこんだ後に…
「よーやった!ガッハッハ!」
と、豪快に笑いながら俺の肩をバンバン叩いてきた。
俺があまりの変わり様に呆然とし、アリシアとアリサに視線を向けるが、彼女らも同じ様に呆然としている様だった。
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