221人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんなに凄い近接戦闘が出来て…」
「砲撃戦主体の魔導師って…」
「………」
アリシアとアリサが驚く中、カミヤ先生は表情を変えず、続けて問う。
「…何故、ワシ相手に手を抜いた?」
その言葉に、俺はほぼ反射で答えていた。
「手は抜いていません!…確かに俺は接近戦がメインという訳じゃないですが、理由があって今は砲撃戦用の魔武器が使えないんです…」
「して、そのワケとは?」
「それは…今は言えません。ですが、信じて下さい!俺は決して手なんて抜いていません」
俺が必死にそう訴えるように続けると、思わぬところから援護があった。
「もういいだろう、マスター」
「カトラス!?」
俺が驚きの声を上げると、念話で『任せておけ』と言われ、俺は黙り込んでしまった。
「さて、カミヤ教諭。マスターは今回の件は悪くない。お叱りなら、この不甲斐ない魔武器“カトラス”が受けよう」
「…どういうことじゃ?」
カミヤ先生が疑問の声を上げると、カトラスはいつ考えたんだと思うほどスラスラと口から作り話を語ってゆく。
「マスターはな、確かに優れた砲撃型の魔導師だった。だがな、それでも敵わぬ猛者がいた」
「ほう…」
…
………
……………
最初のコメントを投稿しよう!