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「マスター、もう残された手はあれしかない」
「カトラス!?だが、あれは…」
私はマスターが躊躇いの言葉を発した瞬間に、叱咤の声をあげる。
「マスター!何を躊躇っている!コイツを倒さねば、更に被害が広がるのだぞ!?」
「くっ…」
悔しそうな、苦しそうな表情をして呻くマスターに、私は出来る限りの穏やかな声で話しかける。
「マスター、私なら大丈夫だ。信じてくれ」
その言葉に、マスターはやはり苦しそうな表情ではあるが、覚悟を決めた様だった。
「…すまん、カトラス」
「いいんだ、マスター。…マスターの様に、最高の“主人”に仕える事が出来て幸せだった…」
「あぁ、お前こそ最高の“相棒”だったよ…」
その会話を最後に、私とマスターは敵に最後の戦いを挑んで行った…。
……………
………
…
「そして、その戦いの後、私は“コア”は無事だったものの、SOCの重要な部分を破損してな。自己修復が出来ないレベルの破損の上、制作者が死亡してしまっていて、修理をしようにも出来ん…とまぁ、こういった理由があって、マスターは砲撃戦用の魔武器を持っていなくてな…。慣れない近接戦闘をさせるハメになっているのだ」
カトラスがそう言葉を切ると、なんかもう罪悪感が凄かった…。
何故なら…。
「そうか…そんな理由が在ったんじゃのう…」
「ゼノンくん、辛かったよねぇ…」
と、カミヤ先生とアリサは、号泣し…
「まだ若いのに、辛い経験をしているのね…」
「ゼノン、頑張って来たんですね…」
とカミヤ先生の魔武器さんと、アリシアは何やら慈愛に満ちた目で見つめて(魔武器さんには目はないが…)来ているのだ…。
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