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俺はそれを聞いて、記憶を掘り起こす。
すると、確かに。“東国の鬼神”は凄まじい強さであったが、高ランクの依頼だと、2、3日空けてから依頼を受けるというのが普通だった気がする。
よほどの戦闘狂じゃない限りは、普通依頼を完了したら数日空けるもんだから、頭から抜け落ちてたな…。
「そんな理由があったんですか…」
「うむ、そんな理由があったのじゃ」
と、うんうんと一人頷くカミヤ先生に、ついでにもう一つ聞いてみる。
「あの…肉体強化したら筋肉痛になるからってのはわかったんですが、そもそも、なんで筋肉痛になるんですか…?」
そう。
普通、肉体強化とはそこまでリスクがないのだ。
というか、肉体強化は近接戦闘の“基礎中の基礎”。
そんなに酷い筋肉痛になるなんて、聞いたことがないんだけどな…。
すると、カミヤ先生は少し苦々しげな表情になりながら、口を開いた。
「うむ。ワシの肉体強化はちと“特殊”でな。ジパングに居た頃に覚えたのじゃが、他の肉体強化魔法の追従を許さぬほど性能が良いのじゃ。じゃが、その魔法には欠点があっての…それが筋肉痛なんじゃよ…」
「…なるほど」
俺がそう相槌を打った瞬間、大きな鐘の音が聞こえた。
「おぉ、授業終了か」
そう言って立ち上がったカミヤ先生は、俺たちに整列するように言って、他の皆の所へ歩いていった。
「んじゃ、整列しに行くか」
「はい」
「うん!」
俺たちもカミヤ先生に続く様に、皆の所へ行って整列した後、カミヤ先生に挨拶をして、自分のクラスへと帰って行った。
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