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ゴーン、ゴーン、ゴー…
そう鐘の音が鳴ると同時に、俺は机に突っ伏した。
「つ…疲れた…」
「ふふっ、授業の帰り道で質問攻めにあっていましたものね」
俺がポツリと呟くと、アリシアが苦笑しながら答えた。
そうなのだ。あの後、教室に帰る途中、どうしてそんなに強いの?とか、戦術の組み立て方なんかだったりとか、兎に角、色々と聞かれ、俺はカミヤ先生との試合の疲れも重なり、かなり疲弊していた。
『“東国の鬼神”相手だと思って、思わずテンションが上がってしまったのが不味かったか…』
『まぁ仕方がないだろう。“一応”学生の範囲内の実力ではあるから、大丈夫だろう』
『…すまん』
俺の言葉に、カトラスは“一応”という言葉をえらく強調して返し、それを聞いて思わず俺は謝ってしまった。
二人とも黙ってしまったので、気まずくなり隣のアリシアに話しかけようかどうか迷っていると、教室のドアが開かれ、クヤス先生が入ってきた。
「…あれ?なんでクヤス先生が…」
と、俺が疑問の声を上げると、隣からアリシアが理由を教えてくれた。
「今日は元々半日授業なんですよ。ちなみに明日、明後日はお休みです」
「そうなのか…」
アリシアの言葉に俺が相槌を打っていると、教壇に立ったクヤス先生が口を開く。
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