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その様子を見て、クリスさんは少し心配そうに俺の顔を覗き込み、「大丈夫ですか?」と聞いてくれる。
俺は困った様な表情を浮かべ、「大丈夫です。少し吃驚しただけですから…」と苦笑しながら、未だに3人で話しこんでいるアリシアたちに声をかける。
「おーい、取りあえずそろそろ戻って来てくれ…」
俺がそう声をかけると、3人はようやくお喋りを止め、俺とクリスさんの方を向く。
それを確認すると、俺は再びクリスさんに質問する為に視線を向ける。
「あの…部屋はわかったんですが、荷物とかは…」
「それならつい先ほど運ばれて来たので、お部屋に運び込ませて頂きました」
「あ、そうですか…。ありがとうございます」
俺の質問に快く答えてくれたクリスさんは、「いえ、大丈夫ですよ」と微笑んだ後、今度はアリシアたちに向き直り、続ける。
「ちなみに18階へは普段一般生徒は立ち入り禁止ですが、居住者の許可があれば入室出来ますので…」
と、そこまで言いかけると、3人から一斉に「「「ゼノン(くん)!部屋に入らせて(ください・くれ)!」」」との声が上がる。
俺はその様子を見て、少し呆れながらも頷き、クリスさんにお礼を言ってから、4人…いや、クリスさんも着いてきて5人で18階へと向かった。
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