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『雪乃さん。』
私を呼んでいるのは母だ。
『今日のお食事会、忘れていないでしょうね?お父様のお客様が来られます。』
『わかっています。私もお母様も同席するんですよね?』
そう。
私の家は由緒正しい家柄で
父は結構、偉い人らしく
知り合いも沢山いて
今日は仕事抜きでご家族も是非ご一緒にと、先方にお誘いを頂いたらしい。
接待というやつだ。
そこで私や母を披露するのだ。
礼儀正しく、賢く育てた娘、
善き妻、善き母として三歩下がってついてゆく母、
さすが〇〇さんの奥様と娘さんとなる、お披露目会みたいなものだ。
小さな頃からお披露目会には慣れている
ピアノを弾いた事だってあるし
作文を読んだ事もある。
それが月1はあるのだ。
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