第一章

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  今日はもうすぐ春ということもあって薄桃色の着物だ。 染物屋で一目惚れしたのだ。 それを着ているからか いつもより少し気分がいい。 父の背中を母と並んで追いかける。 夜だというのに人は溢れかえっている どこへ行くというのだろうか 何を目的に歩いているのだろうか 夜風は少し肌寒く少し身震いした 気付くと立派な建物の前に私たち3人は立っていた これから失礼のないように、足元すくわれぬように、礼儀正しく"楽しい"食事会が今から始まると思うと やはり少し気が重くなる  
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