GoodEndその後 その二

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「はぁ!? 今日家に泊まる!?」 「はい。もう桐乃とご両親には言ってあります」  笑い終わったところを見計らい、あやせになぜ俺を呼び出したかを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。 「急だな……。っていうか、俺には内緒……だったとか?」 「いえ。今日決まりました」 「マジで急だな!」 「はい。ですから、ちょっと買い物に付き合ってもらいたいんです」 「買い物? なんの?」 「それは……」 「ん?」  言いにくそうにうつむくあやせ。これから俺を買い物に連れ出すというのに、買うものは教えてくれないってか。  まぁついていけばわかることだし、いいか。 「いいよ無理して言わなくて」 「あっ、すいません」 「で? どこに行くんだ?」 「えっと……確か、隣街にデパートがあったはずですよね」 「隣町まで行くのかよ!」  意外と遠い場所を指定され、俺は面喰らった。けど近場だったらあやせ一人で十分だし、俺なんて必要ないか。  しかもデパートで、買う物は秘密。これは相当な荷物を覚悟しておいた方がいいかもな。 「どうしても欲しい物があるんです。ダメ、ですか?」  上目づかいで見つめられ、俺はまた面食らった。今度は良い意味で。  ああもう、今日のあやせはどうかしてる! いつもの二割増しに可愛いぞ!  俺はニヤケそうな顔を必死で抑え、あやせの言葉に答えてやる。
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