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「いや、そのさぁ、いくら俺とレイラの子っつっても限界あるべ?」
「ちっ、無事か」
流石腐っても勇者って事か、直線方向以外の衝撃波消しやがった。
とはいえ、それが出来るから放ったんだけどな。
この先集落無いはずだし、旅人やらモンスターやらもしかしたら斬ったかも知れないけどそこまで面倒みれない。
運が悪かったね合掌だな。
運良く女性が直線上にいたら親父が受け止めてた筈だしね。
「っと、そんな分かりきった事は良いや。
学園行くってどの学園さ?
この大陸だけで確か8つほどあるぞ」
「むぅ、俺の息子なのにやっぱり遊び心が足りない」
質問を無視する親父。
はぁ、こんなのに外見も中身も実力までもそっくりのジュニアとか言われてるのかよ。
俺は見境無く女性を口説いたりしないぞ、それも相思相愛の母さんがいるのに。
「ノンノン、ジェントルマンの礼儀なのさ。
クロードはまだその辺りがなってない」
「急に心の中読むなって。
よくこんなんで円満な結婚生活送れるよなぁ」
「愛されてますから」
「言ってろ」
自信満々に顔を気持ち悪く変化させる親父。
とは言うものの、本当に親父と母さんの仲はこれでもかってほど良い。
未だに新婚みたいだしね。じゃなくて――
「始末付けれねぇーだろ、いい加減詳細話せよ」
「む? 俺は別に困らないけど、お前が困るよ?」
「はっ? なんで?」
「レイラからのお願いだから」
あれ、じゃあ今回は親父のケツ拭きじゃねーんだ。
なんだろ、母さんからのお願いって。
不思議そうにしてたら親父が察知した様だ。
「あれだ、いつも俺が連れ回してるから同世代の友人いないし、皆も学園には入れたいから先にお兄ちゃん入学しててだそうだ」
「まぁ、母さんからの願いなら喜んで行くけど……。
で、どこだよ?」
途端にやぁっといやらしい笑みを浮かべた親父。
こ、これはマズい。
何がマズいかって、なにがなんでもマズい。
「いやぁ、か・お・緩んでるぞ、クロード」
「ここここここ殺す!」
「がはははは、可愛いなぁ」
こうして俺と親父は暫く戯れつくのでした――ってすませる訳ねぇだろおおぉぉぉぉぉぉ。
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