エルノール王立学園

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「しかし、勇者ガーランド・ローゼスの息子を私が担当出来るとは光栄だ。 私は担任のマーベラス・セルデルだ、クロード君宜しく」 「はい、宜しくお願いします」  にこやか話す半分頭が禿げた、やや恰幅の良い男性に漆黒の髪を持つ少年――クロードは同じく笑顔で応える。 どうやら案内をしてくれた男は見回り役の用務員だった様で、クロードを目的の場所まで送ったらすぐに職務に戻っていった。 金髪に青い目、ほりの深い印象的な顔とすらっとした手足。 所謂イケメンだが目の前の白髪混じりのくすんだ青髪を弄る中年より、彼の方が教師だったら良かったな等と胸の中で思ってたりするが。  結局クロードは明日からクラスに混ざる事になった。 では、昼前であり時間の余った現在は何をするのか。答えは簡単、クロードの実力を測る事になる。  理由は、勇者の息子と言うバックグラウンドのお陰で全く試験を受けずに学園に受け入れられた為、同じ歳のクラスで1番優秀な者が集められたクラスに入る事に決まっていた為だ。 しかし、いくら身元が確かとはいえ実力は未知数。 多分クロードの力が足りなければ即クラスを下げられるだろう。 実際、レベルが違う事を学んでも吸収出来ないだろうし、クロードもそこは納得している。 ところが、絶対にレベルが釣り合う事はないと確信していたりするが。
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