エルノール王立学園

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「――君は学園で何を学ぶ気だい?」 「うーん、貴方達が師事する事とか?」  クロードの軽口に、その場にいた教師達は固まる。 それもその筈で、クロードが教師達を教えると言う事が全くの冗談では通じないとたった今証明して見せたのだ。 だからこそ思わず教師の1人が呟きを漏らしてしまったし、クロードの軽口に固まってしまう。 そんな教師達に向かって、あくまでも表面上は笑顔でクロードは口を開く。 「冗談はさておき僕の力を分かって頂いたところで言いますが、僕は同世代の人間との付き合い方を学びに来たのです。 後は対人経験を積みに……でしょうか。 あっ、ご心配なさらずに、ちゃんと封印具を着けますから……ただ、力なきアクセサリーって事にしといて下さいね。 圧倒的力の差があると恐怖しか与えないですから」 「私達の様に……って事か」  前半は敢えて少年に確認。 ニヤリと別種の笑みに変わったのを確認して後半は自分に納得させる様に呟いた。 「まぁ諦めて下さい、勇者の息子ですしって事で。 で、あくまでこれからお願いをするので聞いてくださいね」  教師達は確信する。お願いと言う名の命令が自分達に下るのだと。 そして、何故自分達に力を見せたのかも。
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