エルノール王立学園

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 これで教師達は自分と関わりを持とうとしないだろう。 与えられた部屋のベッドで寛ぎながらクロードはそう考えた。 ふと、学生寮の中で普通に割り当てられると言われる部屋を眺める。 「しかし、これで普通とか、本気で金掛けすぎだろ」  部屋の豪華さに呆れつつ、最初上級貴族に割り当てられる部屋をきっちり脅しながら断って良かったと確信してしまう。 そもそも、旅慣れし過ぎて屋根さえあれば上等と言う生活が身に染みているのだ、寧ろ落ち着かない。 「まぁ、見栄やプライドが大事なのは分かるけどねぇ」  興味なさそうに呟き、ごろりと寝返りを打つ。 左の薬指にはめたリングを撫で、その効力を思い浮べる。 明らかに異常な己の力を人間の最強クラスであり、一般的な魔族と同等まで押さえ込んでくれる魔具は、多分小さな国なら買える程の額になるだろう。 興味深そうに見ていた教師に付けさせたところ、力を完全に封印されその場に倒れこみ、自分以外だとこんな風になるのかと思ったものだ。  心でまぁっと呟き、更に続ける。 本番は明日からだ。 寧ろ今日の遅刻のお陰で根回しは完全に済んだと言って良いだろう。 っても、緊張とかいつ以来ぶりかなぁ。 そう、少年は自身が緊張している事を自覚しつつ、夜は更けていくのだった。
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