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暗い、部屋の中だった。
厚いカーテンは外から差す光を遮り、それと同じように、
自分の心は人を拒んだ。
光を受けずにギラリと光る
カッターの刃が妙に絢爛(ケンラン)に見える。
右手で、
それをきつく握り締めながら
左手の手首に、
ぎゅっと押しつけると、
糸のように細い線が横一直線に手首を横切り、
一拍おいて赤い液体がぷくっと滲み出た。
その生暖かく、赤い水は、
ゆったりと、腕を伝う…。
頭の中にかかった靄が、
すっと晴れていくような感覚に襲われた。
いつもそうやって確認していた。
―自分はまだ生きていると
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