第1話

5/27
前へ
/110ページ
次へ
嘉穂は、思い出した、 というようにはっとした顔をして言った。 「そうそう、加藤先生がね、 佐那のこと呼んで来いって」 「何で?」 佐那は面倒臭そうに首を傾げた。 加藤先生はこのスクールの校長だ。だが、呼び出しを食らうような事をした覚えはない。 「新入生。私たちと歳が近いんだって」 「へぇ…… どんな奴なの?」 どうやら怒られるわけではなさそうなので、少し安心して訪ねる。 「私もまだ会ってないから分かんないけど、駆がやたらニヤニヤしてた。ほら、早く行こ」 嘉穂は佐那の手を引っ張って立ち上がらせると、さっさと歩きだし、佐那はその後ろに続いた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加