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「おはよう」
「おはようございます」
あぁ煩い、朝の喧騒この言葉大嫌い私は。挨拶する理由が分からない。何故仲良くない人とも無理に笑顔を作って頭を下げてぺこぺこして、本当意味が分からない。
「おはよ、六花
「おはよう」
教室にはいると、ほら掛けられるこの声。耳の奥がザラついて抉られる感覚。反射的に返事をしてから口の中の違和感に顔を顰める。
「数学のワークの問題って、(3)からだよね?」「違うよ(2)」「マジ?やってないんだけど!見せてー」「はいはい」「やったー、六花様天才美人!」「棒読みどーも」
他愛ない会話。
これならいい、問題ない。
「おはようー、皆席ついて」
最低。腐った面の担任の女が、腕いっぱいに書類を抱えて、よろよろと教卓にたつ。あぁぁ最悪。「日誌よろしくね」にこにこと差しだされる痛んだ黒表紙のノートを受け取る。「はい」
日直は、号令かける。
「起立、れぃ、」
はよーございます
ザリザリ砂の音が鼓膜にいっぱい。
「着席」
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