3人が本棚に入れています
本棚に追加
キリッとした鋭い目で、口は少し不機嫌そうにへの字に曲がっている。顔は小さく片手で覆えそう。
激しく動いても問題なさそうなショートヘアで、こんな女子生徒がいれば顔ぐらいは覚えてる――って、彼女の容姿なんて考えている場合じゃない。
今は、原因を取り除くのが先だ。
「君は、誰だい?」
できるかぎりの威圧を込めて、彼女を牽制しながら質問する。さっきまで気付かないふりをして現実逃避をした上に、最初に見た部分が胸だから迫力も威圧感もないだろうけど。
彼女はその言葉を聞いた途端にない胸を張り、待ってましたと言わんばかりに持っているもので地面を叩く。
この持ってるものが問題なわけだ。
「私か? ふむ。そうだな」
一息。
「私は、死神だ」
彼女は、持っているもの――彼女より大きな鎌だ――を肩に乗せながら答えた。
誰でも、僕でなくても、大きな鎌を持った少女が目の前に立っていれば現実逃避してしまうんだ。と僕は言いたかったのだ。
魔剣があればそんな事はないかもしれなけれど、今は持ってないから話にならない。
彼女が夏のせいで頭がおかしくなったのではなく僕がおかしくなった可能性も否定はできないのだけれど。
なんにしろ、僕のまわりには変人が多いみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!