四話「悪魔の子」

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   * * *  その晩。エストは、ひっそりと川辺に佇んでいた。辺りは暗く、彼の表情がわからない。すると草を踏む音が微かに鳴り、その音は段々とエストに近づいてくる。 「はぁはぁ……ご、ごめんね! 親逹が、なかなか寝てくれなくて……」  姿を現したのは、息を切らせるマリアであった。マリアの手には小さいメモが握られていた。 「でもビックリしたよ。いきなりこの手紙で呼び出すんだもん」 「ごめんね。こんな夜中に」  申し訳なさそうにエストは苦笑いをしてみせる。そんな彼の頭の天辺を指で小突き、いつもの太陽のように明るい笑顔をし、 「こ~ら! またネガティブ? 私は来たかったから来ただけだよ」 「……」 「……エスト?」  いつもとは違う雰囲気だと感じ取ったマリアは、伏せてあるエストの顔を覗きこむ。
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