四話「悪魔の子」

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 ――ズキン。  頭がやけに痛む。  だが今日初めて痛むわけではなかった。つい最近。いや、普段は意識していなかっただけで、幼い頃からこういった不思議な頭痛は度々あった。  これは、多分危険を知らせるためのシグナル。  エストの身にふりかかる危険の…… 「エスト、大丈夫? 顔色が……」 「マリア、聞いて欲しいんだ」  間髪入れず、マリアの言葉を遮りエストは口を動かした。やけに早口で。 「僕は……君が好きだ」 「! エ、スト」 「困らせる事を言ってごめん。ただ結ばれる事は多分ないから、だから……」  ――メザメヨ。 「っ!」  ズクンズクンと痛む頭の痛みと共に響く低い声。段々と鮮明に聞こえてきた。  聞いてはいけない囁き。  エストは直感的に悟ったが、目を閉じ、頭を掴み、耳を抑えるが、その言葉は消えやしなかった。  ――メザメヨ。マゾクノチヨ。 「う、あ……」 「エスト! 大丈」  もがき苦しむ姿を見ていられなかったマリアは、エストを抱き締めようと手を差し出した。  その時。
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