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「過去を悔やむ暇があるなら、少しでも足掻いてみせろ」
ベイオウルフの重い言葉に、グローは口を閉ざす。まさしくその通りだと、納得したからだ。
「ちなみに、ベイオウルフさんはルシファエルとはどういった関係なの……?」
すると重たい空気を消すように、ふと疑問を口にしたクリマ。
今まで黙っていたシェイドも、その話題に目線を上げる。
「……俺の事はいい。今は他にやるべき事がある」
ベイオウルフは、しらばくれたように話を逸らす。そして目線をシェイドに向ける。ふと視線がバチッと合い、心臓の鼓動が一気に跳ね上がる。
「シェイド・ウィンチェスター。もう一度聞く……本当に強さを求めるのか?」
「!」
「お前はこれから避けては通れない運命に立ち向かう事になる、だから」
「大丈夫です」
ベイオウルフの言葉を遮るかのように、シェイドは強い口調で返す。
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