一話「決意」

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 青色に赤色が少しずつ混じりあい、ほのかな紫色を生んでいる空。  遠くを覗き見れば、太陽が既に山や林に埋もれるように落ちている。  また今日も夜が訪れる。  ――サズエル大陸の最北端に位置するルクス村の、一際大きなログハウス調の建物、【サージェ孤児院】。  ここに、先ほどまで命の危機に瀕していた者達が集まっていた。 「……久しぶりに帰ってきたね」  赤いバンダナを揺らしながら、シェイドは居間に置かれたテーブルに手をつく。我が家へ帰ってきたという実感を口に出しているようだ。 「そうだな。本当にひさびさだぜ」  明るい茶色の髪を掻きながら、キョロキョロと見回すグロー。はにかんだ笑顔をうかべ、安堵のため息を溢していた。 「なーにが「本当にひさびさだぜ」よ。呑気な事言って!」
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