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隣に座ってきた事を確認したベイオウルフは、自身の背中に装備している刀を鞘から抜く。いつ何度見ても、やはり刀身が長い。そして、何故か妖艶なるオーラを醸し出していた。
目をうっすらと細め、ベイオウルフはその刀身を眺める。とても憂いに帯びた、切なく燃える瞳で。
「……そういえばその剣って、何て名前なんですか?」
「フルンティグだ」
「凄い長いですよね、僕にも触ら」
「っ触るな!!」
手を伸ばしてきたシェイドの手を払い、刀を遠ざける。シェイドは目をパチクリとさせ、ベイオウルフを見つめ返した。
「触っては、駄目なんだ……呪いがうつる」
「え?」
最後の方は今にも消えそうな声で呟いたので聞き取れなかった。シェイドはもう一度聞き返したがベイオウルフから返事は一向に戻ってはこなかった。
「……さて話が少し逸れたな」
ベイオウルフは刀を目の前のちょっと柔らかい地面に差す。
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