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「クリマーほんとうによかったんでしか?」
先程降りだした筈の小雨はすっかりと止み、雲の隙間から綺麗な青空が顔を覗かせている。
少し水気を含んだ草を踏みしめたクリマは、ソフィアの言葉に足を止め、顔を後ろに向ける。
「ん、何が?」
「シェイドのことでし」
躊躇なくソフィアの小さい口から零れたのは、シェイドの事。
先を急いでいるとはいえ、シェイドを置いてきた事にソフィアは納得いってない様子だった。
「ソフィアはシェイドも一緒がよかった?」
「あたりまえでし! だって……」
「?」
いきなりモジモジと体を揺らすソフィアに、クリマはきょとんとした顔で首を傾げる。何か理由があるようだ。
「だって……だって、たべさしてくれるっていったでし。おおきいハンバーグ」
「って、目的それかよ!」
横で聞いていたグローはたまらなくソフィアに容赦ないツッコミを入れた。
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