77人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから……だから返しにきてよね! 絶対の絶対!」
「ナイラ……」
強い口調とは裏腹に、ナイラの大きな瞳からは今にも涙が零れ落ちそうであった。
――ナイラなりに、クリマの事を案じているのだろう。彼女の気持ちが痛いほど伝わってきたクリマは、その首飾りを優しく握りしめ、
「わかった……返しに、くるよ」
言葉を詰まらせながら、何処か煮え切らないような言い方。だがナイラにとったらそれでも嬉しかった。そんな表情になっている事にすぐに気づくと、ナイラはツンとした態度に直り、クリマに背を向ける。
「も、もちろんシェイド達も一緒にだかんね!!」
「うん。私が絶対守るから」
何処か愁いの色となったクリマの瞳。遠く、遥か彼方を見つめる。
異変を微かに感じ取ったナイラは体を反転させ、クリマを見据えた。
最初のコメントを投稿しよう!