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――何て美しいのだろう。
ナイラは素直にそう思った。同じ女という生き物の筈なのに。
横顔、髪、瞳。
全てから目が離せなかった。
だが、白い絹のような頬に微妙な違和感を感じたナイラはそのまま目をこらして見た。すると、ほんのり、本当にほんのりとした赤みが帯びていた。
「!」
その赤くなっている原因をナイラはよく知っていた。そうさした犯人は、紛れもないナイラなのだから。
「あ、の」
「ん?」
予想よりも早く返事が戻ってきたからか、ナイラはドキンと胸を詰まらせていた。どうやら次に言う言葉を考えていなかったようだ。
「え、と……あの、その頬……」
「! あぁ、これ? やっぱり腫れひいてない?」
「うん」
クリマはそんな指摘を受けて、苦笑いをしながら赤くなった頬を指でポリポリと掻く。
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