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「あいつが……」
事のあらましを聞いたグローは鼻を擦りながら物思いにふけっていた。
グロー以上に人見知りなナイラが、クリマに心を開きかけている――
話を聞き、グローが一番始めに思った気持ちだった。物心つく頃から近くにいたナイラのそういった成長を頭に浮かべ、嬉しいような、複雑な気持ちが浮かんでいた。
「でしでしっ」
「? なんだよソフィア」
何処か意味深げに笑いを浮かべるソフィアに気づいたグローは、訝しげにソフィアへと目線を移す。
「でし、なんでもないでしよ~」
尚も怪しい笑いをやめないソフィアに、グローとクリマは頭を傾げるしか出来なかった。
「? まぁいいか。えっとロサに行くには……」
片手に持っていた地図を再度広げる。
現在地はルクス村の目と鼻の先にある平原。このまま北東に進めば、先日まで滞在していたフェルムの町がある。
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