77人が本棚に入れています
本棚に追加
「クリマーいくでしよー?」
「……今行くわ」
冷徹な表情から一転、明るい笑顔でそれに応え小走りで追い掛けていった。
――その場から人気がいなくなった瞬間。
「いやー、危ない危ない。流石はクリティエルだなぁー。恐ろしい恐ろしい」
年端もいかない少年のような声が、何処からともなく聞こえてきた。だが姿は見当たらない。
「まぁ、トップバッターのオイラに殺られるのがオチだし……別にバレても良かったんだよねー」
空に響き渡る声の節々が、笑いに満ちていた。
「さてさて……オイラも行くかなー」
その台詞を呟くと同時に、気配が一気に消えた。草木が少年が動いた後を追うようにその方向へ傾げていった――
最初のコメントを投稿しよう!