三話「暫しの別れ」

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「クリマーいくでしよー?」 「……今行くわ」  冷徹な表情から一転、明るい笑顔でそれに応え小走りで追い掛けていった。  ――その場から人気がいなくなった瞬間。 「いやー、危ない危ない。流石はクリティエルだなぁー。恐ろしい恐ろしい」  年端もいかない少年のような声が、何処からともなく聞こえてきた。だが姿は見当たらない。 「まぁ、トップバッターのオイラに殺られるのがオチだし……別にバレても良かったんだよねー」  空に響き渡る声の節々が、笑いに満ちていた。 「さてさて……オイラも行くかなー」  その台詞を呟くと同時に、気配が一気に消えた。草木が少年が動いた後を追うようにその方向へ傾げていった――
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