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「んだよーバリア張ったのかよー。やっぱりバレてたのかー。しくったー!」
鈍色の髪をツンツンに立てており濁った緑色の瞳の少年が、悔しそうにおでこを擦りながら展開された障壁の向こう側に座り込んでいた。
「こいつは?」
「……四死天皇が一人。シュウ」
「し、四死天皇!?」
グローが驚くのも無理はなかった。今目の前にいるのは、背丈がナイラほどしかない、まだ幼い面影を残す十歳ほどの少年だったからだ。口には可愛らしい八重歯が覗いていた。こんな小さい男の子が四死天皇の一人だなんて信じられない。
「なぁクリティエルー。オイラもそっちに入れてよー」
その場に座り込んだまま、シュウは中に入れてと懇願してきた。だがクリマはYESともNOとも口にはせず、ただシュウを見下すように睨み付けていた。その表情から何かを感じ取ったシュウは、怯む事はなかった。
「そっか。まぁ、入れてくれないならさ……………壊すまでっ!!」
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