三話「暫しの別れ」

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 途端シュウは何も持ってはいなかった右手に、くすんだ鉄色をした長い鎖鎌を何処からか召喚した。そして鎖から手を離し、その反動で鎖の先に付いた鎌が障壁の核となる珠にとてつもない衝撃を与えてきた。 「!!」  クリマの力で出来ている障壁の核。衝撃と痛みが直に彼女に伝わってきたようで、顔を一瞬歪ませる。だが、障壁は壊れたりはしなかった。 「ふぅん。流石クリティエルの魔法だねー。クオリティ高い高い」  鎖を引っ張り、鎌を頭上でクルクルと振り回すシュウ。ニヤニヤと笑っていたが、既に光がない瞳は一切笑っていなかった。 「いくら四死天皇の貴方であっても、私を殺す事は無理よ」 「そんなのわかってるよ。オイラだってそんな無謀な事はしないさ! だから……」  クリマに向けられていたシュウの双眸は、周りに立っていたグロー達へと視線を動かす。その瞳はとても冷ややかで、見下すかのような色をしていた。
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