三話「暫しの別れ」

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「でし、ソフィアたちもいるでしよ」  エリアに続いて一歩踏み出したのは、クリマ以外の三人だった。既に臨戦態勢に入っていた三人は一歩。また一歩前に出る。 「少女。早く消せ」 「クリマ。俺らに任せろ。それでも無理なら……」  それ以上は何も言わなかった。既にクリマはグローが言いたい事を理解していたからだ。クリマはため息一つこぼし、指先でパチンと鳴らす。すると、村を囲っていた六つの核が飛び散り、障壁が解除された。 「お、やっとその気になった?」  律儀に待っていたシュウは片足でもう片方の足に絡めるように立っていた。先頭に居たエリアは先ほどと変わらぬ無邪気な笑顔をシュウに向けた。 「貴方が求めていた殺し合いをしにきただけよ。ただし、村人には一切手を出さないで」 「さぁ……出来もしない約束はしない質でね」  消し去っていた鎖鎌を再度手中に召喚すると、途端に眼光が光り、 「レディ……ゴー!!」
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