三話「暫しの別れ」

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 容赦なく鎖鎌を振りかざし、一行の方へ鎌が襲いかかる。皆は一斉にそれぞれの武器を取りだし臨戦態勢へ。  長い鎖によって迫ってきた鎌を、ソフィアは身体よりも大きい斧を軽々と持ち上げその表面で鎌を弾き落とした。 「来いよっ! 下部達っ!」  その間にシュウは鎌を握っていない手を天高く翳し、指を軽快に鳴らす。するとその合図と共に、空中から漆黒の翼を羽ばたかしながらこちらの方にやってくる黒い影がポツリポツリと姿を現す。  下級魔属の群れであった。  少しずつ羽をばたつかす音が大きくなってくる。一人だけならまだしも、目視した感じだと数十人。下級魔属といえど数が多いと厄介だ。 「俺が空中にいる奴らをやってやる!」  珍しく勇ましく言葉を放つグロー。気を集中させ、目を閉じると……背部から白く眩い光を放ち始め、そして。 「う、あぁぁっ!」  光を撒き散らすかのように、白いそれを大きくばたつかす。光がなくなった白い物。それはグローの“天属”故の白き翼。
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