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虚ろだった瞳で瞬きを一回。するとすぐいつもの勝ち気な瞳に戻り、魔属が群れる上空を見る。そして、翼を大きくばたつかせ体をフワッと浮かせる。
そのまま体を捩りながら翼を動かし、快晴の空に広がる黒い物達に向かって凄まじい速さで飛躍した。
「何処見てんだよっ!!」
グローの行動を横目で見ていたソフィアは、こちらに向かってくるシュウの行動に気づいていなかった。それに気付いたシャンテは懐のホルダーから銃を取り出し、有無を言わさずシュウに対し発砲を開始。
手に持っていた鎖を振り回し、その勢いに任せ鎌を降り下げる。すると、偶然なのか狙ったのかその鎌はシャンテが発砲した弾へと見事命中。弾は虚しく地面へと落ちていった。
「ちっ!」
その刹那、鎖をもう一度引っ張り、更に投げるように飛ばし鎌は容赦なくソフィアに伸びていく。ソフィアはもう一度斧を持ち上げ、防御態勢に入ろうとしたが。
「させないわよ?」
瞬間。鎌とソフィアの間にエリアが突如横入りし、両手首に身に付けた鉤爪で、飛んできた鎌を鈍い音をさせながら跳ね返したのだ。
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