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「綾香ちゃん」
「あ、おねえちゃん」
ベッドから起き上がろうとする彼女に寝たままでいるように言う。
花束をその胸元に置いてあげると、嬉しそうに微笑んでくれた。
「ママから聞いたの。おねえちゃんは手術中も病院にいてくれたって」
「すごく心配したよ」
「ごめんね。でもお兄ちゃんがママ以外の誰かを呼んだなんて不思議」
同じようなこと、綾香ちゃんのお母さんに言われたけど……。
「和希くんだって'誰か'を頼りたくなるときだってあるんだよ」
「違う」
綾香ちゃんははっきりとそう言った。
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