1章 指揮官セツアと盗賊ヴィア

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「・・・!」 だが、そこまで。 オルガの視界からセツアが消えた。 「翔破斬!」 バアン!とけたたましい音がしてオルガが吹っ飛んだ。 飛び上がっていたセツアが着地する。 「ってぇ…それはなしだろ…」 反則だ、とばかりにセツアをにらむオルガ。 「悪い悪い。ついやっちまった。だけど、これで勝負はあった。晩飯直訴は無しっ!」 セツアはオルガに手を差し伸べる。 しぶしぶ彼が手をつかんで立ち上がったところで、訓練場の階段から誰かが上ってくる音がした。 「セツア!母さんから召集かかってたの覚えてる!?」 「あ、やべ、途中だった。」 上ってきたのはセツア達より年上の女性。 「セツアも忙しいな。」 「仕方ねーよ。じゃあ、また相手してくれ。…晩飯直訴は考えとくからな」 最後の直訴は小声だったがオルガは口角を上げた。
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