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「いやあ、早めに着いちゃったからさ、まっすぐ実家に向かうかどうしようかなーと思ってたら、ミツルと芽衣子さんが見えたからさあ」
「諒ちゃん久しぶりー。相変わらず元気そうだね。大学生活楽しんでる?」
「元気元気。就活もサクッと決まりそうだし!」
「わ、凄いじゃん! こっち戻ってくるんだよね」
「うーん本社は東京だけどねー、全国展開だから配属先は何処になるかわかんないし」
「まあどこもそうだよね」
弟、さっきから芽衣子に釘付けで、姉の存在を忘れていないだろうか。
芽衣子さんは相変わらず綺麗だなあと目をハートにしている弟に、近況を教えてあげなくては。
「芽衣子、結婚決まったんだよ」
「えっっっ!!」
「あっそうそう、この間決まったんだ。順調にいけばねー」
さらっと縁起でもない事を言ってるけど、多分順調に行ってるはず。
「マジかぁ、おめでとうございます!相手はまさかとは思うけど、まさかです?」
「ヨウタだよ」
まわりくどい日本語を口にする弟に、私からさっさと回答すると、マジかぁああと頭を抱えた。芽衣子は予想通りという表情で、ハハハと笑っている。
「なんであんたが頭抱えるのよ」
「いやあだってさあ……いやぁ…神様っているんだなあ」
「あんたさっきから何気に大分失礼じゃないのヨウタに対して」
ヨウタが居たら首を絞められそうだ。
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