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一人できゃあきゃあ騒いでる私の視界に、なにやら煌めくものが入った。
「静かにしねえと本気で殺すぞ。」
小太刀……と言うのだろうか。
先程沖田総司に突き付けられたら刀より多少短い刀を、今度は土方歳三に突き付けられた。ちょっとでも動くと首が落とされそうな位置に刀がある。私は黙るしかなかった。
ふと観ると、土方歳三のすぐ後ろにいる沖田総司は楽しげに笑みを浮かべていた。人が殺されそうな時に笑うなんて……嫌な奴。
「だから、てめぇはなんなんだ。」
「なんなんだと言われましても……。」
もう何回同じことを聞かれただろうか。
なんて言えばいいのかわからない。
『未来から来ました~タイムスリップしちゃったみたいです~。』
無理。きっと信じてもらえない。
『善良な一般人です。』
無理。すぐさま切られそう。
「いいから本当のことを言いやがれ!!!早くしねぇと頭落とすぞ!!!」
「歳っっ!!!!!!!………落ち着け。」
「けどよ、近藤さん。」
「いいから。全員この部屋から出て行きなさい。」
「んなっ!!近藤さん!」
「いいからほらっ早く。」
そういうと近藤さんは、土方歳三の背中を押して廊下へと押しやった。
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