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その中から私はスケジュール帳を出した。そして年間カレンダーのページを開き、近藤さんに見せる。
「この……色鮮やかな冊子はなんだい?」
「……これは、私の時代のカレンダーと言うものです。ん~と……日本語で言うと暦表ってところでしょうか?私のいた時代……2011年の暦が記されています。」
そう私が説明すると、部屋にいた全員が近藤さんの手元を覗きこんだ。
「へぇ~」やら「ほう」やら「うむ」やら様々な声が聞こえる。
全員がスケジュール帳に見入ってると、突然近藤さんが私の名前を呼んだ。
「深山君。私は信じるぞ!!君のその可笑しな巾着も着物もすべて先の世界のものだとしたら納得がいく!!私は信じる!!」
「あ……ありがとうございます!!」
私はすんなり信じてもらえるなんて思ってなかったから、思わず涙目になる。
……………ん?可笑しな着物??
近藤さんの言葉に何かひっかかり、私はふと、自分の服装をみる。
私の通っていた高校は、制服が可愛くて人気の学校だった。
ワインレッドの大きなリボンに、スタイルよく見えるブレザー。そして臙脂(エンジ=黒みがかった赤)色のチェックのスカート。どれもが雑誌に載るようなおしゃれなデザインで、制服目当てで受験する人も多い。
そのため倍率が高く、偏差値も高いので必死に勉強して入学できた。
私はこの制服がとても気に入っていて、卒業後も大切にとっておこうと思っている……のにだ。
そんな思い入れのある制服は、無惨にも右の袖がズタボロに切り裂かれていた。
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