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「そうか。もちろ「ですが、近藤さんは勘違いなさってます。」
私は近藤さんの言葉を遮るように続けた。
「私は、今18歳です。幼くありません。そして……男ではなく、れっきとした女です。」
「なんと!!」
私の言葉に、近藤さんはもちろん、それ以外の皆さんも目をまん丸くして驚いていた。ただ、土方歳三を除いて。
土方歳三は、一瞬驚いた顔をしたがすぐに口元に笑みを浮かべていた。
「残念だったなあ。この新撰組は女人禁制なんだ。気の毒だが、女をここに置くわけにはいかねぇ。」
したり顔で言う土方歳三。……こいつやっぱり嫌いかも。性格悪すぎ。
けど、私だって引き下がる訳には行かない。今はまだ、ここにいるしかないから。平成へ戻る手段が見つかるまでは生き延びなくては……。
「知ってます。無理を承知でお願いしてるんです。怪我が治れば、お手伝いもします。料理も洗濯もやります。どうかここに置いて下さい。」
再び頭を下げるが、土方歳三は鼻で笑ってあしらう。
何度か近藤さんが助け舟を出そうとするが一蹴されてしまう。
何度言っても聞き入れない土方歳三に、私は軽くキレてしまった。
下手に出ればいい気になりやがって。
穏便に話を済ませたかったが、もう無理そうだ。実力行使に移すしかなさそうだ。
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