27/37
前へ
/64ページ
次へ
その格好?何か可笑しな格好していたっけ? 私は自分の服装を思い出してみたが、右袖がズタボロなこと以外は何も思いつかなかった。 どこが問題だったのか聞こうと思い、笑った人の方へ顔を向ける。しかし、名前が分からないから呼びかけるのに戸惑ってしまった。 その視線に気がついたようで、その人は笑顔を向けてきた。 「俺は原田左之助(ハラダサノスケ)。左之ってみんなからは呼ばれてる。よろしくな。」 原田左之助……この人が……。確か原田左之助と言えば、お腹に切腹傷があると聞いている。あとは槍の名手だとも。 どんな厳つい人かと想像していたら、思ったより細身の、けどしっかりとした筋肉のついている人で、優しそうな笑顔の人だった。 ふ~ん……てことは、隣に座ってる中小の二人が、永倉新八(ナガクラシンパチ)と藤堂平助(トウドウヘイスケ)って訳か……。 私は、瑞希から聞いた話を思い出しながら大中小の三人を眺めた。 「そんなに見つめられたら照れちまうなぁ新八。」 「だな。」 原田さんが、新八と声をかけたのは中のほう。なるほど、小のほうが藤堂平助か…。 って、今はそこじゃないんだった。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加