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空は青く透き通るようなキラキラの海の色、雲は羊の毛のようなふわふわ真っ白。緑の雑草はどんなことにも負けずに凛と立っている。
世界はキラキラと眩しい程に輝いている。子供達の笑顔はお空を照らす太陽に負けないくらい眩しい。
皆が幸福なら私はもっと幸福。皆が不幸なら私はもっと不幸。
今日も平和。明日も明後日もずっとずっと平和。
私はいつものようにぽけ~っと屋上でお昼ご飯を口にちびちびと運んでいく。
「ねぇ、かぐや~。お昼終わっちゃうよ」
「むぅ、ん~、ん~。ごめんね、いつも遅くて」
「別にいいんだけどね。注意しないとチャイム鳴っても食べてるからね」
「ええ~。そんなこと一度もないよ」
茜ちゃんはそんなことを言いながらも毎日私とお昼ご飯を一緒に食べてくれる。でも、私はぽへっとしていることは多いのは自覚しているけどやる時はやるのだ。
ちゃんと時間も守ってるし食べていてチャイムが鳴っていても食べていたことはない。そうなりそうになったことはあっても、まだない。
今日も空は青くて広い。雲はいろいろな形に変わっていったり面白い形の雲を見つけたりするのが楽しい。
「茜ちゃん、あの雲飛行機に見えるよ」
「ん~、どれどれ。いや、私には剣に見えるね」
「あれはクジラに見えるよ」
「手榴弾に見えるね」
「・・・わざと言ってるでしょ。物騒だよ。もっとかわいいものにしようよ」
「かわいいものねぇ。そう見えるんだから仕方ないじゃん」
茜ちゃんはニッシシと綺麗に揃えられた歯を見せながらかわいい笑顔で返す。
私もそんな笑顔で返されたら茜ちゃんがかわいいから、かわいい雲なんてどうでもいいや、とサンドウィッチと共に飲み込んだ。
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