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屋上はお昼になると開放されて皆の憩いの場となる。私と茜ちゃんはお昼になるといつも屋上でお昼ご飯を食べに来る。
それには理由があって茜ちゃんの思い人が屋上でいつもお昼ご飯を食べているからなのです。その人は大和大地くんなのです。茜ちゃんからは誰にも言ったら駄目だよと言われている。
でも心の中で言うのは問題ない。だって私しかしらないもの。
私は全身全霊を籠め全力全開で茜ちゃんの恋路を応援している。具体的にしていることといえば茜ちゃんに応援と言う言葉しかかけていないけど。あまりそういうのに首を突っ込むのも野暮ってもんじゃないですかね。そうですよねぇ。と自問自答してみた。
こういうことを茜ちゃんに言うと馬鹿な娘だと思われるから止めなさいと注意される。
その思い人の大和くんは一人で食べてるわけじゃなくていつも三人で食べている。
大和くんと一緒にいるのは同じ野球部の関くんとリボンの色からみて一つ学年が下の一年生の女の子。女の子はナナセと呼ばれているくらいしか私は知らない。
茜ちゃんは気になるみたいだけど相手のことを調べたりするのが嫌いみたいだからよく知らないようだ。
そのためいつも強気な茜ちゃんは子猫のように丸まって窓の外をじっとみている感じになってしまっている。
頑張れ茜ちゃん。何にもできないけど応援くらいしかできないけど私は傍にいるから。
「かぐや、どうしたの?」
「私は茜ちゃんの傍にいるから大船に乗った気でいてね」
がしっと茜ちゃんの手を握り熱い視線を注ぎこんだ。
「あっははは、急にどうしたのよ。かぐやと一緒だと遭難しそうだよ」
「ええ、ひどいよ」
「うん、大丈夫だよ。私はかぐやと違ってしっかりしてるもん。ほら、ゆっくりしすぎであと五分しかないよ」
「うん、あと三口くらいで食べ終わるよ」
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