4人が本棚に入れています
本棚に追加
ルールが沢山書かれていますね。ええ、どうしましょう。
私はホワイトキングに選ばれてメンバーに命令ができるけど殺害されたら敗北でチームメンバーが消滅するわけですね。ふむふむ。
ええと、敵のキングを殺したらどんな願いでも叶えることができるという誰もが一度は思う最高のシチュエーションですね。それで、それで。
白と黒に分かれてキングやらクイーンに一人一つずつに所属しての6対6のチーム戦ってことですよね。なるほど。
「・・・全然意味がわからないよぉ!!」
途中で読んで理解しようとする気も失せた。
とにかく、恐い。
殺害とか殺すとか消滅とか物騒なことばかり書いてあって読むのも恐くなった。
これは新手の呪いの手紙とやらではないだろうか。名無しの手紙が届くのは何度もあったけれどこんなのは初めてだ。いつもはいついつ、どこどこの場所で待っていますとかで恐くて一度も行ったことはない。
手紙ってこんなにも恐怖を募らせるホラー要素たんまりのツールだったんだね。
テレビ画面には呑気にふくよかなグルメレポーターがよく分からない珍味を食べ続けていた。
時間は5時を少し過ぎた辺りで茜ちゃんが帰って来るのにあと二時間はかかるだろうし、部屋に一人でいるのも恐いし人が沢山いる場所に行こうかな。
「うううう。まだ腰が痛いよぉ」
立ち上がろうとしたが思いのほか腰を抜かしたダメージは甚大だったようで立ち上がることが難しかった。
無理に立とうと思えば立てたが体力も精神力も摩耗して動けない。
再び目が潤い、涙は頬の同じルートを何度も通り過ぎる。
一人ではこんなにも心細く脆く弱いものなんだと認識される嫌な体験になったけれど茜ちゃんの重要さが分かったよ。
リモコンを手に取りむしゃコラと食べ続ける画面からバイバイし心安らぐ番組を探す。ちょうど動物番組の再放送がやっていた。
足の短い猫さんを見ながら恐怖を薄めていく。とてとて、と歩く姿には気分が安らいで心が晴れ渡っていくなんともいえない感じが心地よい。
あのモフモフ感を直に触りたい。ペットが飼えたらいいのだけれど当然だが寮での飼育は禁止されている。
「茜ちゃん、早く・・・」
最初のコメントを投稿しよう!