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オレの前には壁がある………
赤く激しく燃えさかる壁が……
足をすくませるオレに……
『嫌いなオレ』が話しかける……
よく頑張ったよ……
ここらで止めろよ………
他へ行こうぜ……
楽に考えろよ……
でもオレは知っている……
この先に行くことが出来れば……
またひとつ……
強い自分になれるコトを………
『嫌いなオレ』が引き止める……
頑張るなんて無駄なだけ……
それでもオレは歩き出す……
赤く激しく燃える壁に………
近付くと火はジリジリと、オレを焦がす……
『嫌いなオレ』は叫び出す……
その頑張りが無駄になるかもしれないんだぞ………
かっこわるいぞ……
みっともないぞ…………
オレは言う……
じゃあ報われる可能性もあるってコトだな……
それはカッコいいな………
それは素晴らしいな………
赤く激しく燃える壁を……
オレは必死で殴り続ける………
手はあまりにもボロボロで…………
どれだけ傷付いたのかも分からない………
だけど確実に壁は壊れていく………
オレが後ろによろめくと…………
『嫌いなオレ』が受け止める………
行けないな………
『嫌いなオレ』は言った………
行くんだよ……
そう言ってオレは立ち上がる………
今にも崩れそうな壁に………
残りの力を全部叩きつける………
赤く激しく燃える壁が………
今はボロボロ崩れ去る………
その向こうにある物は………
涙がにじんでよく見えない………
『嫌いなオレ』にオレは言う………
……心配してくれてありがとな…
『嫌いなオレ』は……
照れくさそうに鼻をこする………
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