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シゲは立ち上がると、ポケットにメモ帳をねじ込んだ。メイと連れ立って部室を出ると、玄関の方へ歩き出す。 「どーせあれでしょ?」 メイがひがみったらしく唇をねじ曲げて言う。 「浮気調査して、自分一筋だって確認して、またさらにラヴるんでしょ?!」 「いいんじゃね?」 シゲはにやにや笑いながら言う。 「俺らの仕事で幸せになれるっつーんなら、やりがいあるんじゃん。」 それにお前のそれは彼氏募集中の嫉妬からきたひがみ混じってるからなんて言葉は、口を裂かれそうだから言わないのである。 と、僕のポケットで突然、ケータイがブルブル震えだした。慌てて取り出し、画面を見る。ハルナからの電話だ。 「電話って…」 オレはまだ、部室から見える範囲にいるんだが。 戸惑いながら、通話ボタンを押す。 「もしもし?」 「もしもしシゲ君!?」 ハルナの呼びかけ。珍しく、興奮している。 何故!? 「お前…え?この数分でなにがあったのさ?」 「すぐに戻ってきてください!!」 「…はい?」 ハルナの言葉の意図が読めずに素っ頓狂な声を上げるシゲに、ハルナは叫ぶようにいった。 「星名先生が、依頼にいらっしゃってるんです!!」
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