7人が本棚に入れています
本棚に追加
「あたしっ、ずっと前から・・・・・・るっ、ルイのことが好きだったの!」
「あ、ごめん。俺、年上好みだから」
振られました。
しかも二秒弱で。
ずっとずっと好きだったのに。
ずっとずっと大好きだったのに。
あたし、振られちゃったんだ。
――もう、ダメなんだ。
「でもさぁ……『年上好み』だからって酷くないですかぁ!?
そりゃあ幼馴染みで同期だし、どっちかって言うと年下だし可愛くないしバカだし何も取り得ないかもだけどぉっ!なんで即答かなぁ!?なんでものの二秒で振られちゃうかなあたしー!ぅわぁあんっ!」
「・・・・・・・・・・・・」
昼休み。昼食時間である教室には、人はまばらだった。
天気が良いこんな日には、みな中庭や屋上で昼食をとっているのだろう。
あたしもいつもなら屋上で食べるが、今はまだあそこへは行きたくはなかった。
だから、今はこうして教室で大人しく友人である結花と仲良くお昼ご飯を食べているワケである。・・・・・・いや、ほとんど手をつけることなく泣きついているだけだが。
一方の結花はというと、明らかに面倒臭そうな顔でサンドイッチを無言で食べていた。どうも、友達の失恋話には興味がないらしい。
それでも、あたしは構わず言う。
「あたしねっ、あたしだってねっ、これでもずっとずっと頑張ってきたつもりなんだよ?つか頑張ってきたんだよっ!
小学校のときはいつも一緒に帰るようにしてたし、中学校は三年間ずっとバレンタインのときチョコあげてたし、高校だって勉強いっぱいしてここに入ってさぁ・・・・・・確かに小学校のときは「ウザイ」とか言われたし、中学校のときは「チョコなんて要らん」とか言われたけどっ!
頑張ったんですよ全力で!それでも合格通知見せたとき「へー」とかものすっごいどうでもよさげな反応見せられたけどねっ!? うわーん!」
「はいはい、分かったって葵。少し落ち着きな」
そう頭を撫でる結花だったが表情は変わらず、おまけに眉間にシワまで見える。全く分かりやすい人である。哀しいぞ我が友よ。あ、ティッシュありがとうございます。
最初のコメントを投稿しよう!